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今日だけは紙とペンをにぎって。

いなとり荘は、このデジタル時代なのに

お客様に手書きの紙アンケートを書いて頂いています。

じゃん

もちろん、つけて頂いた印

「大変満足」「満足」「普通」「不満」の4段階と

各項目を全て数値化し、データ分析もしています。

その数、年間約3000数枚。

なぜって?

それは、お客様のご不満を解消し、求めている部分を拡大し

いなとり荘で心から満足して頂きたいから。

 

さらにお部屋毎、対応のシーンごとにわけて

またそれぞれの項目を分析もしていいます。

例えば。

客室「海音」と「海邦」は同じ料金、同じお部屋タイプなのに

「配膳間隔」の満足度が違うのはなぜだろう、とか

8/1~10まで露天付より和室の方が評価が高いけど

料金が切り替わる8/11以降は評価が逆転するのは

料金設定に改善の余地があるんじゃないのか、とか。

本当にもうやめてー!!というくらい細かく細かくやっています。

そんなしつこいこと誰がやってんだこのやろー!

・・・・って、私です(てへ)

 

そう、私巳年なんでねちっこいんです。うふふ。

というわけで皆さん、いなとり荘で書くアンケートは

ただまる印をつけていると思いきや、緻密にデータ分析されておりますので

ぜひぜひはりきってまる印をお願いします!

 

でも。

でもね。

だったら紙に書くなんて面倒な事しないでスマホでぽち、送信!

にしたらいいじゃない!とよく言われます。

だけど、山中はどうしてもこの紙にペンで手書きしてもらう事に

こだわっております。

何度社長と

社長「もうそろそろアプリアンケートに変え・・・・・」

山中「いやです。(きっぱり)」←こら、相手は社長ですよ

 

という会話を繰り返した事か。

どうしてそんなにこだわるの?

それは、みなさんがペンを握って、思いを巡らせながら書いて下さった

心を感じたいからなんです。

字って本当にいろんなものが伝わってきます。

急いだ殴り書きの「ありがとう!またくるよー!」という文字を見れば

ああ、お帰り間際の慌ただしい時に私たちに言葉を残そうとして下さったのだなぁ、と

そのお気持ちの深さと速度を感じ

細かな丁寧な字でびっしりのアンケートをみれば

夜寝る前にじっくり思いめぐらせて書いて下さったのかなぁ

その時星はみえたかなぁ、月はでていたかなぁ、

波の音はしていたかなぁと思い巡らせたりするのです。

そして、こんなアンケートを見た日にはもう泣いてしまいます。

見えるでしょうか。

細かくぎっしり、そして亡きお父様の事を思いながら過ごして下さった

このお客様の思い。

この日は、台風報道もあり 目の前で花火が上がる予定でもあり

花火は上がるか、だめなのかと私たちもお客様もどきどきしながら

夜を迎えた日。

雨も降らず、台風も速度遅くこちらには影響がなかったため

無事目の前から美しく上がったのでした。

こちらの方も同じ日、同じ場所で同じ花火を味わった別のお客様。

この字のつまり方、枠をはみ出て書いて下さった思い。

これがデジタルのスマホアンケートで伝わるでしょうか?

「一生忘れられない」思い出を、私たちと同じ場所で同じ時に

感じて下さるお客様を本当に大切に思いますし

出会うはずもなかった方々と共に心を震わす事ができる日々を

この上なく愛しく思います。

お子様の字で「また来るね、ありがとう」と見れば

この子がおっきくなっても今日を思い出してまた帰ってきてほしいと願い

「プロポーズ成功しました!やったー!」という嬉しそうな文字と共に

隣に書かれたハートマークを見ればこちらが幸せになり

全てのお客様の文字や筆圧、行間やペンのスピードすらも

かけがえのない宝物に思えます。

ちなみに先日は「いなとり荘しか勝たん!」とA4の紙一面に書いてあり

おもわず「ぶっ!!!」とひとり吹き出し、隣にいたスタッフに

「こら!山中きたねえっ!」とよけられました。

またある時は

「波を見て

 初恋のきみ

 思い出す

   横〇 〇造」←お名前

 

と、お名前入りの心の俳句があり、おおお・・・と

みんなに見せて語り合ってしまいました。

字が震えていらっしゃったので年配の方かもしれません。

初恋のきみ。何十年前のお話でしょうか。

そんな懐かしさとご自身の人生を振り返り、ちょっと心が温かくなる。

そんな時間をこのいなとり荘で感じて頂けたのだと思うと本当に

生きていて良かったと山中は思うのです。

 

私たちはどのスタッフも毎日、本当に毎日毎日

よくもまあ飽きもせず、と私がいいたくなるくらいアンケートを見に来ます。

調理スタッフ、修繕担当、フロント、予約係、お掃除担当

入れ替わり立ち代わり誰かしらがアンケートの置いてあるところに座り

熱心に読んでいます。

皆さんが下さった声は必ずスタッフの心に入っておりますので

ぜひぜひ何でも聞かせて下さい。

誰に何と言われようと、いなとり荘はまだまだ

紙に手書きのアンケートをやめません。

皆さん、デジタル入力に慣れた日々をちょっと手放して

ぜひ私たちにお手紙書いて下さいませんか?

 

みんなで心から、あなたの気持ちや思い出を語ってくれる時間を

心待ちにしております。

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